インクを知る

皆さんから届いた質問にお答えします!

万年筆とつけペンとインク

先日、with ink.公式Instagramにて開催したクリスマスキャンペーン。

ご参加いただいたみなさんから、
「インクや万年筆についてwith ink.に教えて/試して/調べてほしいことを教えて」に対して、たくさんのコメントをお寄せいただきました。ありがとうございます!

今回はその中から、多く寄せられたコメントをピックアップして回答していきたいと思います!

万年筆とつけペンはどう違うの?

まず最初に「万年筆とつけペンの違い」について、多くの方から質問をいただいていました。
大きく違うのは、「インクをどうやって使うのか」というポイントです。

・万年筆は「軸の内部にインクを入れて使う」筆記具
・つけペンは「ペン先をインクに浸して使う」筆記具

万年筆内部にインクが入っている様子
軸の内部にインクを入れて使う『万年筆』
SHIKIORI 藤姿のインクとつけペン
ペン先をインクに浸して使う『つけペン』

なんとなくイメージがつくでしょうか?
どちらを使っても、自分の好きなインクで筆記ができる点は変わりません。

万年筆の場合は内部にインクを入れて使うため、手軽に持ち運ぶことができます。外出先でもお気に入りのインクに触れたり、万年筆ならではの書き味を楽しむことができますね。

インクにペン先を浸す工程がないので、手紙などの長い文章を書く場合には万年筆がおすすめです。

つけペンの良いところは、ペン先をインクに浸すだけで色が変えられるところ。
たくさんの色を使って絵を描きたい場合などには、色の切り替えが簡単にできるつけペンがおすすめです。

質問と回答

Q.初心者におすすめのインクはありますか?

A.インクの性質によって、気をつける部分や楽しめることは違ってきます。こちらの記事では、インクを選ぶ際に役立つかもしれない、ちょっとしたポイントをご紹介しています。こちらを手がかりに、素敵なインクを見つけてください。

My first ink. 〜はじめてのインク選び〜|with ink. – インクにときめく、毎日を。

My First Ink.のサムネイル

Q.開封したインクはいつまで使っていいのでしょうか?長持ちさせる方法はありますか?

A.セーラー万年筆の製品の場合、カートリッジインクは製造日から約2年を、ボトルインクは約3年を目安にお使いいただくことをおすすめしています。また、インクを長持ちさせるのによい保管方法は、こちらのInstagram投稿で○×クイズとしてご紹介しています。

with ink.公式アカウント(@with__ink._) • Instagram写真と動画

◯×クイズのサムネイル

Q.書いた後インクが乾くのに時間がかかって、汚れたりにじんだりしてしまいます。解決策はありませんか?

A.インクが乾くまで待つのが基本ですが、待てずに触ってしまって、汚れたりにじんだりしてしまうこともありますよね。

紙によっては、インクの乾き時間に違いがありますので、比較的インクが乾きやすい紙を使うのも一つの手です。

また、紙を変えることができないときや、インクがなかなか乾かないときは、「吸取紙」を使うことで紙に乗りすぎたインクをとることができます。

Q.インクの活用アイデアが知りたいです。文字や模様のデザインや、色のぼかし方に興味があります。

A.インクの活用アイデアや使い方についても、とてもたくさんのコメントをいただきました。

インクの使い方には、実は「これをすべきだ」という正解はありません。インクは使う人の工夫によって、自由に使って楽しんでいただけるものです。

with ink.では、定期的にインクの様々な活用アイデアをご紹介しています。今後もクリエイターの皆様と協力して、コンテンツを更新していく予定ですので、ぜひご覧ください。

Q.つけペン用のインクは、万年筆には使えないのでしょうか?

A.つけペン用インクは、万年筆で使用した場合、成分の影響から故障や不具合につながるおそれがあります。「Dipton」は、セーラー万年筆製のつけペン用に作られている製品ですので、シマーの輝きやシーンの光沢を、つけペンでお楽しみください。

Q.ラメが入ったインク(シマーインク)を使うとき、ラメが瓶の底にたまっていてうまく使えません。キラキラさせるにはどうしたらいいでしょうか?

A.ラメをかくはんして、インク全体に行き届かせてからお使いください。インク瓶を左右に振ることで、インクの上層にもラメを届かせることができます。

つけペン用ボトルインク Dipton(ディプトン)について

つけペンインクセット-Dipton+hocoro-のパッケージ写真

クリスマスキャンペーンでプレゼントした「つけペン用ボトルインク Dipton(ディプトン)」についても、多くのコメントをいただいていました。

そんなDiptonの開発秘話について、セーラー万年筆の製品担当者に聞いてきましたので、ご紹介させていただきます。

Dipton(ディプトン)の名前の由来

Diptonという名前は、浸ける「dip」+ インクをぬぐう擬音「トン」という、「つけペンにインクを浸けて書くまでの動作」から発想して命名されました。

それぞれのインク名のネーミングテーマは下記の通り。

<shimmer各インク名>
偏光ラメによる多彩な色やラメのきらめきからイメージした「音楽」がテーマです。

<sheen各インク名>
深いインク色とその色彩とはかけ離れた色の光沢が醸し出す「ダークな世界観」をテーマとしています。
偏光ラメの入ったシマーインクと、フラッシュするシーンインク。

どちらも1つのインクに複数の色が見えるので、単純に「モノの色」をモチーフにするのではなく、色名とインクが合わさることでその情景が浮かんでくることを意識しました。
その中でも「Coral humming」のような、現実には存在し得ない情景を表現したい、その素敵さが伝われば、という思いでネーミングしています。

シマーインク3色のカラーチャート
左から『コーラルハミング/シマー』『アイスダンス/シマー』『メローフォレスト/シマー』
シーンインク3色のカラーチャート
左から『ブルーフレーム/シーン』『ライプフィグ/シーン』『ダークケイブ/シーン』

<ネーミングにかかった時間>
ネーミングの前段階である「テーマ決め」までに、かなりの時間がかかりました。
「音楽」や「ダークな世界観」といったテーマ決め、そこから色名を決定するまでに3ヶ月ほどの時間をかけて考えていたと思います。

開発の裏側

万年筆用だけじゃない、つけペン用だからこそ広がる多種多様なインクの魅力をもっと感じていただきたいという思いから、つけペン用インクの開発が始まりました。

偏光ラメは、インク3色に全て異なる種類を使用しています。光の当たり方や強弱で変わるラメの色がインク色に映える組み合わせを何通りも試し開発していきました。

つけペン用だからこそ広がる多種多様なインクの魅力を感じていただけます。

シマーインク3色の写真

Diptonの使い方

Diptonシマーのような「ラメインク」は、万年筆に内蔵して使うとペン先が詰まってしまう原因になります。そのため、必ずつけペンで楽しんでいただくようお願いしています。

また、基本的にはセーラーのつけペンでのご使用をおすすめしています。他社製品で使用し不具合が発生した場合の保証ができかねてしまうためです。

おわりに

今回は、クリスマスキャンペーンで寄せられたみなさんの質問に回答してきました!

少しでも疑問が解消できていたら嬉しいです。

つけペンについては特にたくさんの質問をいただいていたこともあり、もっと深堀した記事も今後企画しています。
ぜひそちらも楽しみにしていてください!