インクを知る

My first ink. 〜はじめてのインク選び〜

My first ink.

インクを買おうと実際にお店に足を運んでみたものの、その色数や種類の豊富さに戸惑ってしまい、結局何を選べばいいのかわからなかった…という方も多いのではないでしょうか。

今回は、はじめてインクを選ぶ際に知っておくと役に立つ(かも?)4つのポイントをご紹介します。

魅力的な《色の名前》で選ぶ

SHIKIORI  ー四季織ー 万年筆用ボトルインク
SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』には『しとしと』『はらはら』『ざあざあ』『ぽつぽつ』のように、季節の雨音を色で表現したシリーズも。実際に試して名前と色のちがいを楽しんでみて。

インクには、それぞれに個性的な《色の名前》が付けられていることをご存知でしょうか?

メーカーによっては、自然や気象を表す日本古来の言葉や季語、色々な記憶をかきたてられる風景や音のイメージ、憧れの宝石の名前などがつけられており、インクファンにとってはこれだけで「いったいどんな色なんだろう?」と想像が膨らみ、ワクワクしてしまいます。

例えば皆さんは『雪明(ゆきあかり)』というインクの名前から、どんな色を思い浮かべますか?  雪ということは、白? それとも、雪を照らしている明かりの色……?
そんな不思議な名前の響きから、一人ひとりの思い浮かべる色がちがってくるのがインクの面白いところです。

店頭では色見本が置いてあるのでそれを見るのもいいですが、まずは自分の直感を信じて名前に惹かれた色を選んでみるのも魅力的な出会い方です。

SHIKIORI  ー四季織ー 万年筆用ボトルインク 十六夜の夢 雪明
実際に紙に書いてみると、透明感のある鮮やかな水色が特徴的な『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク 十六夜の夢 雪明

字を書く? 絵を描く? 最初の一本は《使い道》で選ぼう

文字を書くのか、絵やイラストを描くのか、もし、あらかじめインクの《使い道》が決まっているのであれば、まずは最初の一本を、その用途に適したものから選んでみるのもおすすめです。

・文字を書く場合

例えば、はがきやグリーティングカードなどに文字を書くことを検討している場合には、
耐水性で保存性も高い顔料インクで作られた、『万年筆用ボトルインク』の『極黒(きわぐろ)』『蒼墨(そうぼく)』『青墨(せいぼく)』がおすすめです。それぞれ落ち着いた色合いのインクですので、最初の一本として持っておくと、様々な場面での活躍が期待できます。

インクで書く場合

ちなみに、写真の手前にある透明な万年筆は『レクル 透明感万年筆』です。中細のペン先で、はじめての万年筆にもぴったり。ボディが透明な素材でできているため、インクの色が見えるのも万年筆初心者にもオススメなポイントの一つ。

・絵を描く場合

インクで描く場合
色をたくさん楽しみたいなら『万年筆用ボトルインク STORiA MiX 顔料』をセレクト。発色の良さに加え、鮮やかな色のバリエーションが最大の魅力。『万年筆ペン先のつけペン hocoro』があれば、一本のペンでも様々な色を楽しめます。

絵を描く用途を想定している場合にも、おすすめできる顔料インクがあります。

顔料インクは、染料インクよりも紙の表面にしっかりと定着する性質があるため、用紙を選ばず、美しく鮮明な発色を楽しむことができます。

例えば『万年筆ボトルインク STORiA MiX 顔料』シリーズは、他の画材と一緒に使ってもにじみにくく、色の明るさや発色を楽しみたい方にはぴったりのインクです。

顔料インクと染料インクの違いについては、「知っておきたい万年筆とインクのこと」の記事をぜひご覧ください。

心惹かれた《見た目》で選んでみる

インクの見た目で選ぶ

文房具店の店頭に並んだインクを眺めているだけで、思わず端から端まで揃えてしまいたくなった経験はありませんか? インクファンにとって、その《見た目》はどれも魅力的なものばかり。

シンプルで洗練された形のものから、香水瓶のように華やかな印象のものまで、メーカーやブランドによって様々なデザインで販売されています。

店頭で気になるパッケージやボトルと目が合ったら、直感を信じて、迷わず一本目に選んでみると、素敵なインクとの出会いにつながるかもしれません。

ただし、中には万年筆用インクと並んで「つけペン専用」や「万年筆には使用できません」と記載されているインクもありますので、選ぶ際には注意書きにも気をつけましょう。

一色じゃ物足りない!という人は《インクセット》を選ぼう

インクセット
「水面にあらわれるいきもの」がモチーフの『minamo 万年筆用ボトルインク10ml 3色セット』と「原っぱにあらわれるいきもの」がモチーフの『harappa 万年筆用ボトルインク10ml 3色セット』。

どのインクも魅力的だけど、一色ではどうしても物足りなく感じてしまう……そんな人には、複数の色をまとめたインクセットも様々なメーカーから販売されています。

時間をかけてお気に入りのインクを一色ずつ集める楽しさもありますが、セットで買えば、テーマ別に調色された色を楽しめ、お値段もリーズナブルなところが魅力の一つです。

また、たくさんのインクをすぐに使いたい場合には、つけペンがあると便利です。つけペンなら、ペン先を洗うだけですぐに好きな色を楽しめますが、万年筆を使う場合は一度入れたインクがなくなるまで次の色を補充することができないため、注意が必要です。

最初の一歩を踏み出して広がる、奥深いインクの世界

人との出会いと同じように、店頭に並んだたくさんのインクの中から見つけた一本のインクとの出会いもまた、一期一会。そんな風に考えると、皆さんにとっての最初の一本も、なんだか特別なものに思えてきませんか?

もし、皆さんにとって「#はじめてのインク」について思い出やエピソードがあれば、ぜひwith ink.のInstagramのコメント欄から聞かせてくださいね🖋