インクで書く/描く

3月の手紙 時候の挨拶と季節の花の描き方 〜仲春編〜

手紙とインクが並んだ写真

手書きで手紙を書くことが減ってきてしまっている昨今ですが、季節の移ろいやその風情にふれる手紙の挨拶は、美しい習慣のひとつ。

今回は、3月の手紙に使いやすい挨拶例文と、文章に添えるだけで紙面がはなやぐ春を代表する花「桜」の描き方を紹介していきます。
卒業や就職、転勤など新しい生活を迎える季節。
特に人生の節目として、お世話になった恩師へ手紙をしたためるのも良い思い出になるのではないでしょうか。ぜひ参考にしてみてください。

3月《弥生(やよい)》

3月は、厳しい寒さがやわらぎ、たくさんの木々や草花が芽吹く季節。
そして、卒業や人事異動、転勤など、環境や生活に変化がおとずれるタイミングでもあります。

今回は、新しい生活への期待が膨らむ手紙になるような挨拶文と、簡単な桜の描き方をご紹介します。

3月上旬〜中旬の挨拶文

まずは、3月上旬〜中旬のお手紙に使いやすい、挨拶文とインクの組み合わせです。

3月上旬〜中旬の挨拶文の例①

暖かい日差しの中、春風の吹く時季となりました。

挨拶例文1

厳しい寒さがやわらいで、のどかな春のおとずれをを表現した一文。

挨拶例文1とインクの組み合わせ

この挨拶文には、やわらかなだけでなく、暖かい日差しを表現するのにぴったりな『万年筆用ボトルインク インク工房 染料 20ml 173』を使用しました。

3月上旬〜中旬の挨拶文の例②

卒業の季節を迎え、何かと忙しい日々と存じます。

挨拶例文2

卒業を迎える人やそのご家族へ向けて、慌ただしい中の連絡に配慮を込めた挨拶文です。

この挨拶文には、新しい生活への期待と少しの不安にうつろう心のゆらめきを想像して、『万年筆用ボトルインク ゆらめくインク 染料 20ml 花心』を使用しました。

3月中旬〜下旬の挨拶文

続いては、3月中旬〜下旬に使いやすい挨拶文とインクの組み合わせです。

3月中旬〜下旬の挨拶文の例①

辺りが春の色に染まり始め、巣立ちの季節がやってまいりました。

挨拶例文3

自分に環境の変化がおとずれる場合や、子供が節目を迎えるタイミングである場合に、変化や成長が周りの景色と重なって感じられるような挨拶文にしてみました。

この挨拶文には、『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク 夜桜』を使って、直接的すぎない桜の色で春の色に染まり始めた情景を表現してみました。

3月中旬〜下旬の挨拶文の例②

桜のつぼみがふくらみ、開花が待ち遠しいこの頃、

挨拶例文4

新しい環境、生活への期待感が膨らんでいる様子を、全面に表した挨拶文です。

挨拶例文4とインクの組み合わせ

この挨拶文には、期待感や高揚感が感じられるうえに、まさに桜の色ということで、『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク 桜森』を使用しました。

季節の花『桜』の描き方

徐々に暖かくなり、さまざまな草花が芽吹く春ですが、
今回は、その中でも春の代名詞といえる『桜』の手軽な描き方をご紹介します。

使用するインク:
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク 桜森
■『万年筆用ボトルインク ゆらめくインク 染料 20ml 狐日和』(木の枝を描く場合に使用)

桜の描き方1

1.
まずは、『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク 桜森』で、中心から外側に向かって10本くらいの線を筆を使って描きます。

桜の描き方2

2.
次に、水だけを含ませた筆で、中心のインクを桜の花びらの形に伸ばしていきます。
中心のインクが乾いてしまうと、うまく伸びてくれないので、中心にはたっぷりインクをのせておくのがおすすめです。

桜の描き方3

3.
花びら5枚分延ばしていきます。

桜の描き方4

4.
最後に、中心につけペンなどで、おしべとめしべを描き足して桜が完成です!

完成した手紙の写真

つぼみや舞い散る花びらを加え、『万年筆用ボトルインク ゆらめくインク 染料 20ml 狐日和』を使って木の枝を描き足せば、さらに情景を表現することができます。

また、with ink.のInstagramでは以前にも、また別の描き方の桜をご紹介しています!こちらもぜひ参考にしてみてください。

おわりに

いろいろな木々や草花が芽吹くこの時期には、風景の変化だけではなく、卒業や転勤などの環境の変化もおとずれます。
そんな時期ならではの、目に映る風景や心境の変化を手紙にしたためてみてはいかがでしょうか。

相手を思いながら文章を書いたり、季節の花を描くことは、私たちが過ごしている日々の中の、見落としてしまいそうになる物事や景色に改めて意識を向けさせてくれます。

丁寧に時間をかけて、ゆっくりと書いていく手書きの手紙ならではの魅力です。
そんな、心が温まる手書きによる交流を、ぜひ皆さんも楽しんでみてくださいね。