インタビュー&レポート

『趣味の文具祭 in HARAJUKU』イベントレポート

『趣味の文具祭 in HARAJUKU』アイキャッチ画像

9月23日、東京・原宿の『WITH HARAJUKU HALL』でおこなわれた『趣味の文具祭 in HARAJUKU』に、with ink.もおじゃましてきました!


『趣味の文具祭』は、文房具を愛し、人生を楽しむ人のための専門メディア雑誌『趣味の文具箱』が主催する「日本でいちばん深く、楽しい文具のお祭り」を掲げた文房具イベントで、今回がはじめての開催とのことです。

会場入口の様子

イベント当日は、すでに前売り券も完売となっており、あいにくの雨模様にも関わらず、開場30分前からできた長蛇の列からも、イベントに対する文房具ファンの期待の高さがうかがえました。

開場前の行列

開場時間になると、お目当てのブースへと一直線に向かう来場者の皆さん。『趣味の文具箱』が主催するイベントだけあって、出店ブースも、筆記用具から紙、革製品まで実に多彩なラインナップに。

今回は、29のブース、50以上のブランドが出店している中から、with ink.が注目したインクや万年筆に関するいくつかのブースの様子をお伝えします。

会場内の様子1
会場内の様子2
会場内の様子3
会場内の様子4

まずは入口正面に大きくブースを構えていた、スイスのジュネーヴの文房具ブランド『Caran d’Ache(カランダッシュ)』。

CARAN D'ACHE(カランダッシュ)のブース

『Caran d’Ache』は、元々鉛筆ブランドとしてスタートした歴史から、6角形がブランドの象徴的な形となっており、ボールペンや万年筆だけでなく、『ボトルインク』のデザインにも6角形が採用されています。

CARAN D'ACHE(カランダッシュ)ボトルインク 50ml

ななめに傾いたボトルは、ケースに収納することで垂直な状態となり、インクが少なくなってきても最後の一滴まで吸入しやすい設計で、その不思議なデザインに、思わず手に取って眺めている方の姿も。

続いておとずれたのは、文房具セレクトショップ『ancora(アンコーラ)』のブース。

石丸さんのごきげんインク 原宿クレープ

会場限定で販売された『石丸さんのごきげんインク』は、セーラー万年筆のインクブレンダー石丸治さんが、店舗のある銀座の町で見つけたおいしいものをイメージして作る万年筆用インクシリーズですが、今回は特別に、会場となった原宿のおいしいもの「クレープ」をイメージして調色されました。

万年筆とインクを使うときに欠かせない紙製品のブースも見てみると、万年筆用の紙製品『GRAPHILO』を発見。

『神戸派計画』が製造/販売している 『GRAPHILO』1
『神戸派計画』が製造/販売している 『GRAPHILO』2

『神戸派計画』が製造/販売している 『GRAPHILO』という紙は、万年筆のぬらっとした書き味を楽しんでいただけるようにと開発された製品で、万年筆の書き味を最大限に引き出してくれる心地よい紙質によって、はっきりとした文字の輪郭を楽しむことができます。

『神戸派計画』は、75年の歴史を持つ神戸の印刷会社『大和出版印刷』が、 自分たちのノウハウを活かしたものづくりをしたいという思いから、 2011年に立ち上げたブランドです。

次に、イベントの主催である『趣味の文具箱』のブースでもひときわ目を惹いていたのが、『趣味の文具祭』に向けて作られた趣味文オリジナルのガラスペンです。

『Glass Studio TooS(グラス スタジオ トゥース)』とのコラボ作品『TAKETORI 青山緑水』(写真1枚目左側)と
『川西硝子』とのコラボ作品『矢絣 趣味文ブルー』(写真1枚目右側)
『Kokeshi(コケシ)』とのコラボ作品『カクテル・ガラスペン』

オリジナルモデルのガラスペンは、
・『Glass Studio TooS(グラス スタジオ トゥース)』とのコラボ作品『TAKETORI 青山緑水』(写真1枚目左側)
・『川西硝子』とのコラボ作品『矢絣 趣味文ブルー』(写真1枚目右側)
・『Kokeshi(コケシ)』とのコラボ作品『カクテル・ガラスペン』(写真2枚目)
の3種類で、『TAKETORI 青山緑水』と『矢絣 趣味文ブルー』は抽選販売、『カクテル・ガラスペン』は先着販売とのこと。

『趣味の文具箱』ブースの様子

1本ずつ手作りで丁寧に作られたガラスペンは、限られた本数しか製造できません。
限られた本数でも、作り手それぞれの作家性や次々に出てくる新しいデザインが、ガラスペンの魅力の一つなのだと実感しました。

試筆パラダイスの様子

続いて、会場内の体験ブースに足を運ぶと、様々な万年筆や色鉛筆、紙が並んだ『試筆パラダイス』というエリアが。この体験ブースでは、『趣味の文具箱』編集部さんに解説していただきながら、自由に試し書きができる空間になっています。

『世界のティータイム KOP 万年筆 モロッカンミントティー キーサン』と『世界のティータイム 万年筆用ボトルインク モロッカンミントティー』

さっそくwith ink.も、万年筆の試し書きを体験!
極細、細字、中細、中字、太字の他にも、ズーム(筆記角度や縦線、横線のちがいにより細い線から太い線まで強弱のある線が自在に書けるペン先)、ミュージック(本来は楽譜用で横線は細く縦線は太く書くことができ、デザイン文字などにも適しているペン先)といった、様々な字幅の万年筆を書き比べすることができました。

実際に試し書きをしている様子

イベント当日の9月23日に発売されたばかりのセーラー万年筆の新製品『世界のティータイム KOP 万年筆 モロッカンミントティー キーサン』を手に取ってみると、どっしりとした重みと太さが手に馴染み、滑らかなインクフローも相まって、書くのを止めたくないと思ってしまうほどの書き心地。
万年筆と同シリーズで発売されたばかりの『世界のティータイム 万年筆用ボトルインク モロッカンミントティー』も、モロッカンミントティーの深みのある色合いが魅力的なインクでした。

最後に、現在の『趣味の文具箱』編集長の小池昌弘さん(写真右)と、『趣味の文具箱』を立ち上げ、約20年間編集長を務めてきた『趣味の文具箱』統括プロデューサーの清水茂樹さん(写真左)に今回のイベントについて、コメントをいただきました。

現在の『趣味の文具箱』編集長の小池昌弘さん(写真右)と、『趣味の文具箱』を立ち上げ、約20年間編集長を務めてきた『趣味の文具箱』統括プロデューサーの清水茂樹さん(写真左)

いまでは文房具ファンに広く愛され、知られる存在になっている『趣味の文具箱』というメディアですが、実は、『趣味の文具箱』を立ち上げる以前から、いつか自分たちの思う形で文房具イベントを開催したいと考えていたという清水さん。

今回、その想いがついに実って、『趣味の文具箱』として発信するイベントを実現できたそうです。当日の賑わいについて聞くと「たくさんの文房具ファンに来ていただけると信じていた」というその言葉に、ファンとの確かなつながりの強さを感じました。

「文房具を一ブームで終わらせず、これからも長く愛される存在にしていきたい」と語ってくれたお二人は、これからもイベントを2回、3回と続けていきたいともおっしゃっていて、その文房具への熱い思いに、with ink.もたくさんの刺激をいただいた一日でした。

おわりに

『趣味の文具祭 in HARAJUKU』イベントレポート、いかがだったでしょうか。

ここで紹介しきれなかったどのブースにも、世代を超えて愛される文房具の魅力や可能性がいっぱいにつまった製品が並んでおり、文房具ファンの熱気に包まれた会場で、限定販売の商品や試し書きで触れた商品など、心を揺さぶる文房具との出会いを存分に楽しむことができ、大満足の一日になりました。

次回開催の情報がはやくも待ち遠しいイベントです。

『趣味の文具祭』公式ホームページ:https://www.shumibunfes.com/
『趣味の文具箱』公式Instagram:https://www.instagram.com/shumibun/
『趣味の文具箱』公式X:https://twitter.com/shumibun