『with Creators』とは、イラストや水彩画、カリグラフィーなど様々なジャンルのクリエイターさんと、その作品を通して万年筆やインクの魅力をたっぷり満喫していく、月に一度の連載コーナー。
第1回目のクリエイターさんは、手描きの雰囲気を活かした、優しいタッチのイラストが人気のイラストレーター『カラシソエル』さんです。
数多くの書籍の表紙や挿絵、ミュージシャンのグッズイラストなどを手がけるカラシソエルさん。ゆるいキャラクターたちが秋を満喫する様子を描いていただきました!
読書や紅葉狩りを楽しむ人たち、栗拾いをするクマや、みんなでキャンプを楽しむ猫たちの姿。それぞれのイラストのイメージや、インクを使った制作の感想についてもお話しを伺うことができました。
カラシソエルさんの「秋」の描き方を、ぜひご覧ください。
目次
イラストのモチーフについて
今回の秋のイラストでは、『SHIKIORI ―四季織―』の秋カラーを中心に、線画部分には深みのあるブルーブラックの顔料インク『蒼墨(そうぼく)』を使用しているとのこと。
見ているとお出かけしたくなってくるようなイラストのそれぞれのモチーフについて、イメージをお伺いしました。
クマの栗拾い
カラシソエルさん:
「いい栗落ちてた!と思ったら虫食いだった…という場面をイメージしています。芋虫と目が合ってムッとしているクマがポイントです」
芋虫と見つめ合うクマのかわいらしい表情で、微笑ましい光景になっていますね!
使用しているインク:
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 奥山
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 金木犀
■『万年筆用ボトルインク インク工房』 167
紅葉狩りを楽しむ女性
カラシソエルさん:
「秋の木々が鮮やかで写真を撮りたくなってしまう気持ちで描いてみました。オレンジと赤の混ざり合う中に少しだけ緑を入れてグラデーションにしています」
緑が加わることで、夏から秋へ、秋から冬へ…といった、よりリアルな季節の移ろいを感じますね!イラストの女性が写真を撮りたくなるのもうなずけます。
使用しているインク:
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 奥山
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 金木犀
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 夜長
■『万年筆用ボトルインク インク工房』 167
落ち葉の上で読書する男性
カラシソエルさん:
「積もった落ち葉の上に乗ったときのガサガサ、ふかふかしてなんだか落ち着く感覚をイメージして描きました」
なんとも心地よさそうに読書を楽しむ男性の姿に、外に出て秋を満喫したい気分になってきます!
使用しているインク:
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 奥山
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 金木犀
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 夜長
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 はらはら
猫たちのキャンプ
カラシソエルさん:
「猫たちがそれぞれのやりたいように楽しんでいる様子を想像して、『猫キャンプ』を描きました」
焼魚を頬張る猫、テントから顔を出す猫、コーヒーを飲む猫。秋色に彩られた、自由気ままな猫たちのキャンプを見ていると和やかな気持ちに。
使用しているインク:
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 奥山
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 金木犀
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 仲秋
■『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 夜長
■『万年筆用ボトルインク インク工房』 167
今回の制作を終えて
制作を終えたカラシソエルさんに、インクについていくつか質問をさせていただきました。
ー今回インクを使ってみた感想はいかがでしたか?
今回、『SHIKIORI ―四季織―』の秋カラーを中心に使用しました。
万年筆インクらしいシックなトーンのものが多い中に『金木犀』や『インク工房 167』など明るいインクを組み合わせることで、落ち着いた秋の雰囲気とのコントラストがつけられて、
楽しげな秋を表現することができました。
『SHIKIORI ―四季織―』の冬や春のグループのインクで季節を描くのも、色選びがおもしろそうだと思いました。
ー今回は秋のモチーフを描いていただきましたが、中でも気に入ったインクの色はありましたか?
『奥山』です。本物の落ち葉のような色合いが気に入っています。
今回のイラストで『奥山』は栗、葉っぱ、魚、炎など、いろいろなところに少しずつ混ぜて使っていて全体のキーカラーになっています。
少し青みがかった落ち着いた赤が秋にぴったりだと感じました。
ーカラシソエルさんの思う、インクの魅力や面白さについて聞かせてください。
万年筆インクの魅力はいろいろありますが、最初に言いたいのは「液体であること」です。
万年筆の軸や瓶の中でゆらゆら動くインクを見るだけでも、色の濃淡の変化に魅入ってしまいます。
液体なので万年筆に入れる他に、筆や綿棒に吸わせて塗ったりすることもできます。
塗り方によってムラができたり、色味が変わったりする点もインクの面白さのひとつです。
瓶の形もいろいろありますし、色の名前もそれぞれの感性でつけられているところなどにも注目してみると、より楽しめるかと思います。
使用したインク/画材(セーラー万年筆 提供):
・『SHIKIORI ―四季織― 万年筆用ボトルインク』 金木犀/奥山/仲秋/夜長/山鳥/はらはら/垂髪
・『万年筆用ボトルインク インク工房』 167
・『万年筆用ボトルインク 蒼墨(そうぼく)』
イラスト/解説:
カラシソエル
HP:https://karashi-soell.com/
Instagram:https://www.instagram.com/karashisoell/
おわりに
今回は、イラストレーターのカラシソエルさんに、秋を楽しむ人や動物をたっぷりと描いていただきました。
ゆるくて和やかな秋の様子に、思わずまったりと落ち着いてしまいます。
いろいろな秋を表現していただいたことで、筆を使ったときに現れる色のムラや混ざり合う秋色のグラデーションなど、様々なインクの表情を見ることができました。
『with Creators』では、様々なジャンルのクリエイターさんと一緒に、その作品を通して万年筆やインクの魅力をお届けしていきます。
次回は12月公開予定ですので、どうぞ楽しみにお待ちください。